極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
「さっきの話では変質者の件はかなり逼迫しているだろう。捕まるまで、ここは危険じゃないか? 自転車だから大丈夫というのは、ほとんど意味がない」


今月ももうすぐ奨学金の口座引き落としがやってくる。
それも二件同時だ。
この春から一番下の妹も大学に進学したし、少しぐらい仕送りを奮発したい。


こんな事情に加え、じわじわと私を追いつめている変質者問題からも避難できるとあっては、目の前にぶら下げられた条件はあまりに美味しすぎた。


「プライバシーは尊重する。単に同じ屋根の下で一時期同居するという関係だ。知っての通り俺の帰宅は大概遅いし、リビングでも風呂でも好きに使ってくれたらいい」


居候していた時に一度だけ使った、豪華で贅沢なバスルームも思い浮かべた。
うちのワンルームはシステムバスで狭く、当然ながら追い炊き機能などはついていない。
お風呂が大好きな私は長風呂したいのに、冬場はすぐに冷めてしまう。


念願の追い炊き付きの豪華なお風呂。
リビングの大画面テレビ。
モデルルームのようにお洒落で高機能のキッチン──。


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