極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
でも、実は一緒にモーニングコーヒーを飲んだのはまだ三回ほどだ。


最初の数日間、彼と顔を合わさずに済むよう、私は新聞配達並みの時間に起きて洗面所やキッチンを使っていた。

でも深夜帰宅で明け方の起床では身体がもたない。
そのうちくたびれ果てて寝坊してしまい、慌てて走り込んだキッチンで彼とばったり出くわしたのが、初めて一緒にコーヒーを飲んだきっかけだ。


「……飲むか?」


キッチンの入口で彼の存在に気づき立ちすくんだ私に、彼は大したリアクションもなく平然と尋ねたのだった。

私は寝間着のスウェット姿、彼は完璧に出勤態勢を整えたネクタイ姿という、初回の格差を思い出した私は心の中で呻いた。




< 97 / 365 >

この作品をシェア

pagetop