心をすくう二番目の君

もうけじめを付けなければならない。
彼の態度から、やり切れない情念がじわじわと胸を取り巻いて行った。
心で名前を呼び続けるのも、やめなければならない……。

思い耽っていると敢えなくお開きとなり、腰を上げカーディガンに袖を通していた。

「小椋さん!」

件の人が近寄って来たらしかった。
中薗さんに唆された内容を思い起こし、何となしに渋い顔付きになってしまう。

「お疲れ様でした」

作り笑顔で小腰を屈めると、有地さんは露骨に気落ちしたような色を滲ませる。

「え、何? 冷たい」
「……」

パンプスソックスを履いた足で廊下を踏み締め進む。
他の面子は素早く、とうにがらんどうとなった沓脱ぎが現れた。

「行こうと思ってたのに。全然動かないんだもんなー」
「え? 基本、あんまり席替えとかするタイプでは……」

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