心をすくう二番目の君

「花澄……!!」

躊躇いなく呼ばれた名前に、目を見張ったまま呆然と足が止まる。
彼の方は臆することなくわたしへと駆け寄った。
恋しい人は眉根を寄せ、頬を上気させていた。

「……はるし……」

目を瞬かせたまま、消え入るような声でぽつりと呟くと、大きな手が伸びて来た。
状況を飲み込めないままに、ふわりと肩が包まれる。
気付けば彼の腕の中、わたしの顔は埋められていた。

「……良かった…………、見つかって……」

吐息混じりの呻くような声が絞り出される。
目の前に春志の胸元がある。ドクドクと速度を付けて打っている鼓動が聞こえて、胸がいっぱいになる。
押し寄せる熱と一緒に、想いが溢れてしまった。

「……っ……っく」

嗚咽を拾ったのだろう彼が、肩に手を添え、顔を覗き込んだ。
気遣わしげに眉を下げる。

「……ごめん……男3人も居て、目を離したりして……」
「……ち……ちが……」

涙で目元を潤ませたまま、恐る恐る瞳を合わせた。
その眼差しが、切なげに細められる。

どうして抱き締めたりするの?
こんなのどう足掻いても期待する。

「……花澄……ごめん、俺……」

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