心をすくう二番目の君
長い睫毛を伏せて口に出された謝罪の言葉に、胸が騒めき掛けたその時、続けられた言葉に声を呑んだ。
「……名前……呼んでくれたよね、今……。正直……自惚れてる……」
筋張った手で口元を抑えながら、照れて歪めた顔を逸らす。
高ぶる心臓は収まらず、涙を拭うことも忘れ、釘付けになった。
「ごめん……俺が勝手で、花澄を傷付けた癖に……今日、花澄が居なくなって、気が気じゃなかった。何かあったらって、居てもたってもいられなかった……」
いつかのような、狂おしそうな焦がれた視線が注がれる。
春志が一歩近付いて、足元の煉瓦が擦れる音が聞こえた。
「……俺じゃ幸せに出来ないって、誰かと幸せに過ごしてくれるならって思ってたけど……」
伸ばされた指の腹に、頬を流れる雫を柔らかく拭い取られて、肩を竦ませた。
端正な顔が真っ直ぐにわたしを見つめていて、身体の芯が熱く震える。
「一日だって、忘れたことはなかった。好きなんだ、今も」
顔を包み込まれて語られた台詞は、思い掛けない愛の言葉。
こんなにもストレートに恋心を向けられたのは、生まれて初めてのことだった。