心をすくう二番目の君
カラーン……カラーン…………
澄んだ音色が、高らかに辺りへ響き渡った。
幾重にもこだまして、次第に音が闇へ吸い込まれて行く。
もっと彼に相応しい女性が居るかも知れない。
それでもこの音色を、あなたの心に強く刻めれば良いのにと、願った。
前後に揺れる銅製の金属を見上げたまま思い耽っていると、遠く距離を感じさせる彼方から、微かに人の声が耳を掠めたような気がした。
振り返ったものの、暗がりの中、その姿は確認出来ない。
空耳かと目を凝らしていると、僅かながら先程よりもはっきりと耳に届いた。
「…………春志……?」
彼の声のように思えてならなかった。
導かれるようにそろそろと前へ踏み出し始めた足が、やがて駆け出した。
「……み……!」
もがくように腕を振り、走った。
開けた視界の中、広場の端に現れた人は、肩を上下させ息を切らしていた。