心をすくう二番目の君
あの日の詳細を追及するつもりはないらしいが、代わりに疑問が投げられた。
「……ちょっと待って。相手が、か……小椋さんだって、確信してるの?」
『だってあの子に木蓮の話までしてたでしょ。他の子なわけないと思ったけど』
「木蓮……?」
なんのことだと、朧気な記憶を呼び起こす。
記憶を辿ってみれば、花見の席で木蓮の話をしたように思うが、寧実については触れていないはずだ。
どんな言い方をしたかまでは覚えていない。どういう解釈をしたのだろうか。
「……それは、小椋さんだから話したってわけじゃないけど……今思うとそうだったのかな?」
『そうだったんじゃないの?』
「……でも……」
『……でも?』
逡巡していると、寧実が先を促した。
迷いながらも、本音を受話口の向こうへ繋いだ。
「俺は、寧実がそこまでするなんて信じられない。ちゃんと自分を持って、歩いて行ける子だと思ってるから……」
またも黙りこくったかと思うと、鼻を啜る音が耳を掠めた。
『…………駄目だよ、そんな甘いこと言っちゃ』
「……甘いことなんか言ってないよ」
もう、彼女を庇う為の嘘ではなかった。