心をすくう二番目の君
長い脚を折り曲げて片膝を立てた中薗さんが、伏せた瞼を開きこちらを見上げた。
「別にそんなことしなくても、皆勝手に飲むのに」
「……一応、礼儀かと思いまして。中薗さん、ビールは苦手でしたか?」
「いや、ビールは好きだよ。そうじゃなくて、あんまり花見のどんちゃん騒ぎって好きじゃないし、後の予定に響く。まぁ、座りなよ」
ピーナッツを摘みながら、掌を振る仕草をする。
粗方回り終わったので良いかと、お言葉に甘えてボリュームのある膝丈スカートを整えながら座った。
この1週間、端々に感じる中薗さんからの気遣いが嬉しかったが、一方で秘められた何かがあるような予感が増し続けている。
花弁が中薗さんの膝の上に、ひらりと落ちた。
指先で目の前に翳すと、そのまま上方を仰ぐ。
「……皆、そんなに桜が良いかね」
「わたしは、やっぱり春を感じられて好きですね。趣があるというか」
「俺は、桜が咲くと木蓮が終わるから嫌いだった」
意外な答えが来て、目を見合わせ瞬いた。
そんなことを言う人には初めて会った。
「……珍しいですね」
「そうだよね。知ってる? 白木蓮」
変わった人だと巡らせながらも、解る気がして図らずも表情が緩む。
「わたしも木蓮好きです」
「えっ、そうなの」
後ろ手を付いてだらけていた人が、僅かに上体を起こして目を見開く。