心をすくう二番目の君
「ねぇねぇ、小椋さんて、彼氏いるの?」
唐突に隣から届いた率直な質問に、心臓が跳ね上がる。
明るい声へと振り返ると、同じチームの女性である三澤《みさわ》さんが興味津々でこちらへ身を乗り出していた。
同じCADオペレーターだがわたしよりも歴の長い派遣社員のようで、幾らか上の世代だと思われた。長い髪を低い位置にクリップで纏めている。
「……彼氏っていうのは……いないです」
社内では、そう答えることにしている。
「そうなんだ。この職場、なかなか独身のイケメン揃いじゃない? ただフリーかどうかが問題よね~。施行部の方にも、いた?」
「……そうですね……何人かは……」
独身でこの発言なのか、結婚していて面白がっているのか判別が付かずに、とりあえず笑っておいた。
……中薗さんは、どうなんだろう。
真っ先に浮かんだ人について、本人に聞こえるかもしれない状況では尋ねられなかった。
隙を見て席を立った。
随分暖かくなったとは言え、夜はまだ冷える。カーディガンを羽織った二の腕を摩った。
ルージュを引き直して御手洗から出ると、薄着の右腕を掴まれた。