外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
無意識に胸元をギュッと握りしめながら、私はそう告げた。


「俺を?」

「最初のお茶会……奏介、すごい嫌がったじゃない。あれ、私と水入らずとかじゃなくて、裁判が終わった後で心身ともに疲れ切ってて、ゆっくりしたかったからだよね?」


奏介は唇を引き結んで黙っているけれど、言わせずともわかってる。
私はニコッと微笑みかけた。


「私一人でお手伝いに出られるようになりたい、って思った。だからこれは、いいチャンスじゃないかなって」


奏介は見開いた目で私を見つめたまま、ベッドを軋ませて背を起こし、その端に座り直した。


「奏介は、裁判、頑張って」


彼の首に腕を回して、しっかりと抱きしめる。
私の耳元で、息をのむ気配が伝わってきた。
それはすぐに小さな笑い声に変わる。


「守ってるつもりが、俺は君に守られてるんだな」


耳をくすぐる、心地よい囁き。
でも私は、腕に力を込めて首を横に振った。


「私には、奏介の全部を守ってあげられる力は、まだない。だから、私の精一杯で、支えたい」


ほんの一瞬の間の後、奏介が「はは」と声に出して笑った。


「俺はずっと、七瀬を可愛いと思ってきたんだが」


それを耳にした瞬間、私の胸がドキンと大きな音を立てて跳ね上がった。
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