外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
お弟子さんやお手伝いさんに、クスクス笑われた恥ずかしさは、今思い出しても頬が火照る。
こうして着物姿で一日中お茶会に出るのは、今でも正直苦痛だと思う。
それでも、短期間とは言え、今まで何度もお稽古して和の世界に触れた。
日常生活の中でも、一つひとつの動作を意識するよう心がけたから、お弟子さんにもそう言ってもらえる。
だから。
『相当準備して仕掛けてきたようだから、服装も考えてくるだろう』
奏介が言っていた通り、『牧野晴彦』が周防家の大寄せ茶会を相当調べているとしたら、初日の今日、スーツ姿の男性は少なく目立つことまで想定しているだろう。
それならばきっと、着物で来る。
和装で他の男性に紛れてしまえば、敷地内のどこからでも、私や奏介を見張ることができるのだから。
だけど、それならこっちにも都合がいい。
なつみから聞いた『冴えないくたびれた感じ』という印象は、姿勢が良くないせいもあるだろう。
普段から美しい奏介の姿勢から想像しても、十中八九、『牧野晴彦』は着物を着る習慣などない人と考えていい。
つまり。
今日、この周防家の中で、付け焼き刃の振る舞いはボロが出る。
着物の所作に慣れたお客様には紛れることができず、必ず浮き上がってくるはず――。
「的を、絞れる」
最後は確信の一言を呟き、私は胸の前で固く拳を握りしめた。
こうして着物姿で一日中お茶会に出るのは、今でも正直苦痛だと思う。
それでも、短期間とは言え、今まで何度もお稽古して和の世界に触れた。
日常生活の中でも、一つひとつの動作を意識するよう心がけたから、お弟子さんにもそう言ってもらえる。
だから。
『相当準備して仕掛けてきたようだから、服装も考えてくるだろう』
奏介が言っていた通り、『牧野晴彦』が周防家の大寄せ茶会を相当調べているとしたら、初日の今日、スーツ姿の男性は少なく目立つことまで想定しているだろう。
それならばきっと、着物で来る。
和装で他の男性に紛れてしまえば、敷地内のどこからでも、私や奏介を見張ることができるのだから。
だけど、それならこっちにも都合がいい。
なつみから聞いた『冴えないくたびれた感じ』という印象は、姿勢が良くないせいもあるだろう。
普段から美しい奏介の姿勢から想像しても、十中八九、『牧野晴彦』は着物を着る習慣などない人と考えていい。
つまり。
今日、この周防家の中で、付け焼き刃の振る舞いはボロが出る。
着物の所作に慣れたお客様には紛れることができず、必ず浮き上がってくるはず――。
「的を、絞れる」
最後は確信の一言を呟き、私は胸の前で固く拳を握りしめた。