外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
「七瀬? まさか兄貴になにか……」

「奏介、カッコいい……」

「は?」


訝しげに表情を歪める奏介に、私は思いっきり心の声で答えてしまう。
それを真っ向から聞いた彼が、虚を衝かれたかのように何度も目を瞬かせた。


「あっ! ご、ごめんなさい。えっと……奏介の着物姿、初めて見たから」


奏介の反応を見て慌てて取り繕うと、彼も「え」と言いながら、自分を足元まで見下ろす。


「その……いつものスーツもカッコいいけど、着物姿はちょっと違う凛々しさがあるなって」


素直な感想だったけど、言っているうちに恥ずかしくなった。
最後は声を尻すぼみにして、奏介の反応を上目遣いで観察してしまう。


私の視線を浴びて、奏介もカッと頬を赤く染めた。
そして、ちょっと乱暴にガシガシと髪を掻き毟る。


「……バカか、君は」

「う。ごめんなさい」

「いや。……七瀬にそう言ってもらえるのは、嬉しい」


奏介は、目尻を下げてはにかんだような笑みを浮かべた。
照れているのを隠す時だけ、彼が浮かべるその笑顔に、私の胸がきゅんと疼く。


また、旦那様にときめいてしまった。
なんだか私まで無性に照れくさくなってしまい、思わず頬に手を当ててそっぽを向いた。
それを阻止するかのように、奏介が私の手を掴む。


「え?」

「七瀬、すまない。……ちょっとだけ」
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