外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
「いつもの調子で素で誉めたら、七瀬、多分君の方が照れの極致に陥るぞ。で、俺はそんな君を見て暴走する。結論、今日は茶会の手伝いどころじゃなくなる……。どう想像しても、今は堪えるしかないだろう」

「っ、そ、奏介っ!」


随分と理路整然と導き出された結論を聞いて、顔から火が出るかと思うくらい熱くなった。
耳まで熱を帯びているから、きっと真っ赤になってるのは見なくてもわかる。
顔を伏せて口ごもる私に、奏介がようやく口から手を離し、まっすぐ顔を向けてくれたのが感じられた。
そして。


「七瀬、着物、よく似合ってる。君はなにを着せても似合うな」

「っ……!」


『今は堪える』と言ったその口で、私の着物姿を随分と高めに評してくれる。


「そ、奏介、誉めすぎ」


鼓動が速い。
奏介の一言一言で胸が躍り出してしまい、身体中至るところから血管の拍動が聞こえてくる、そんな気がする。


「本心だから仕方がない。普段会社に行く時の控えめで清楚な服も、家にいる時の色気のないスウェットも、君が着ると不思議と可愛いから困る」


真顔で続ける奏介に、私は苦笑しながら顔を上げた。


「それは、誉めてないでしょ……」
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