外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
奏介に負けじと同じニュアンスの言葉で応酬して、胸元から彼を見上げた。
彼はパチパチと何度か瞬きをして、ふっと口角を上げる。
「そりゃあそうだ。俺の前に七瀬のドレス姿を見た男がいると言われれば、人生やり直して、割り込んで出会わないと気が済まない」
「それは、私も」
お互いに向けた視線を宙で交わらせて、微笑み合う。
そして、どちらからともなくそっと顔を寄せた、その時……。
「あ~……おっほん!」
「っ!?」
襖の向こうからわざとらしい咳払いが聞こえて、私と奏介は慌ててお互いから身体を離した。
反射的に同じ方向に顔を向けると、細く開いた襖の隙間に、明らかな人影がゆらりと揺れる。
「七瀬さんの着付け、終わったんだろ? だったらそろそろ出てきてくれないか」
「っ……。す、すみません!!」
さっきのお弟子さんから着付け終了の知らせを聞いたのか、廊下から藤悟さんのボヤくような声が聞こえてきた。
私は慌てて奏介を押しのけ、彼の背で襖を大きく横に開く。
「お手伝いっ……! 私にできることがあれば、なんでも言ってください!」
ちょっと上擦った声で言いながら廊下に飛び出る私の横で、奏介が小さな溜め息をつくのが聞こえた。
彼はパチパチと何度か瞬きをして、ふっと口角を上げる。
「そりゃあそうだ。俺の前に七瀬のドレス姿を見た男がいると言われれば、人生やり直して、割り込んで出会わないと気が済まない」
「それは、私も」
お互いに向けた視線を宙で交わらせて、微笑み合う。
そして、どちらからともなくそっと顔を寄せた、その時……。
「あ~……おっほん!」
「っ!?」
襖の向こうからわざとらしい咳払いが聞こえて、私と奏介は慌ててお互いから身体を離した。
反射的に同じ方向に顔を向けると、細く開いた襖の隙間に、明らかな人影がゆらりと揺れる。
「七瀬さんの着付け、終わったんだろ? だったらそろそろ出てきてくれないか」
「っ……。す、すみません!!」
さっきのお弟子さんから着付け終了の知らせを聞いたのか、廊下から藤悟さんのボヤくような声が聞こえてきた。
私は慌てて奏介を押しのけ、彼の背で襖を大きく横に開く。
「お手伝いっ……! 私にできることがあれば、なんでも言ってください!」
ちょっと上擦った声で言いながら廊下に飛び出る私の横で、奏介が小さな溜め息をつくのが聞こえた。