外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
茶道家元周防家の嫁、奏介の妻として出席した初お茶会。
奏介のお点前する姿も、私は今日初めて見た。
あまりのカッコよさにドキドキして、ボーッと見惚れたままお客様に話しかけられ……。
慌てて、とんちんかんな受け答えばかりしてしまった。
茶道の心得もなくお作法も知らないから、まったく役に立てないどころか、緊張のあまり粗相を繰り返してしまい……。
お義父さんやお義母さん、藤悟さんにまで苦笑され、最後には『奏介の隣に正座してるだけでいいよ』と言われてしまった。
こうなってしまっては、ほとんど置物同然。
しかも、置物として正座をしている、という役割ですら、私は満足に果たせなかった。
慣れない着物に長時間の正座。
途中からずっともじもじして、奏介のお点前に列席した何人もの女性客は、『ぷ』と笑ってヒソヒソ話。
私だけでなく、奏介にまで恥を掻かせてしまった。
最後には、奏介に見惚れる余裕も失っていた。
お客様をお見送りした時には、足が痺れて感覚すらなく、私は立ち上がることもできなかった。
奏介の方は慣れたもので、私より長く正座していたのに、なんとも優雅に立ち上がった。
そして、地蔵のように固まる私を見てきょとんとした様子で瞬きを繰り返し、最後は小さく吹き出した。
『足、辛かっただろう? ご苦労様』
そう言って、流れるような所作を披露していたその腕で、私をひょいと抱え上げた。
奏介のお点前する姿も、私は今日初めて見た。
あまりのカッコよさにドキドキして、ボーッと見惚れたままお客様に話しかけられ……。
慌てて、とんちんかんな受け答えばかりしてしまった。
茶道の心得もなくお作法も知らないから、まったく役に立てないどころか、緊張のあまり粗相を繰り返してしまい……。
お義父さんやお義母さん、藤悟さんにまで苦笑され、最後には『奏介の隣に正座してるだけでいいよ』と言われてしまった。
こうなってしまっては、ほとんど置物同然。
しかも、置物として正座をしている、という役割ですら、私は満足に果たせなかった。
慣れない着物に長時間の正座。
途中からずっともじもじして、奏介のお点前に列席した何人もの女性客は、『ぷ』と笑ってヒソヒソ話。
私だけでなく、奏介にまで恥を掻かせてしまった。
最後には、奏介に見惚れる余裕も失っていた。
お客様をお見送りした時には、足が痺れて感覚すらなく、私は立ち上がることもできなかった。
奏介の方は慣れたもので、私より長く正座していたのに、なんとも優雅に立ち上がった。
そして、地蔵のように固まる私を見てきょとんとした様子で瞬きを繰り返し、最後は小さく吹き出した。
『足、辛かっただろう? ご苦労様』
そう言って、流れるような所作を披露していたその腕で、私をひょいと抱え上げた。