妖精の涙
「まあまあ。そんなに怒りなさんな。これは、怒って解決できるようなことじゃない」
一緒にいる男がなだめるも、その男の怒りは収まらない。
「これもすべて、あの深雨とかいうガキのせいだ。あのガキが来てから、この村にはますます雨が降らんことなった。やっぱり、あのガキは追い出しとくべきだったんだ」
それを聞いた明は、頬を赤くして彼らに怒鳴った。
「まだそんなこと言ってるの!? 雨が降らないのは、あんたたちのせいだって言ったじゃん! 深雨のせいじゃない!」
明がそう言うと、深雨は走ってどこかに行ってしまった。
「え、深雨!?」
「逃げたってことは図星だったってことだろ。やっぱりあいつのせいだったんだ」
そう言う男を、明は睨んだ。
そして、深雨を追いかけた。