妖精の涙



その日は、深雨のために学校や村の探検が行われた。




明と深雨は終始ずっと手を繋いでいた。





「じゃあ、深雨! 家に行こっ!」




「あ、待ってっ」





それから二人は瞬く間に仲良くなっていった。





そして、深雨が村に来て二週間が経った。




その間も雨が降ることはなかった。





だが、二人にとって雨が降らないことは、とても嬉しいことだった。




いつまでも外で遊ぶことができるからだ。





ある日、明たちが仲良く歩いて帰っていたら、畑から声が聞こえてきた。





「一体いつまで雨が降らないんだ、この村は。このままじゃ、畑の作物が何一つ育たない」




< 14 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop