きみが赤を手離すとき。
「え、せ、先輩がきたの!?」
「家の近くで鉢合わせたんだよ」
外を見ると、すっかり夕暮れになっていて、学校終わりの先輩がわざわざ寄ってくれようとしてたのかもしれない。
袋の中にはのど飴とパックのトマトジュースが四本も。そういえばトマトは風邪にも効果があるんだっけ。
「お前のために買ってくるとかイケメンなのに守備範囲広いな」
「うるさい!」
弟を部屋から追い払って、私は先輩が買ってきてくれたものをぎゅっとする。
嬉しいけど、弟が言ってたことは正しい。イケメンが私なんかに世話を焼いたらダメなのです。
だって今は熱で思考が正常じゃないから、すぐ勘違いしそうになる。それで、また先輩への想いが増えていく。