無題 〜奇跡の7つ子〜
「ん〜〜〜?言ってなかったっけ?なんか、すっごく嫌な予感が近頃起きてるって、壱鳴が言ってて、異世界?から来たアリスなら、ここにこさせてもいいかなぁ?っていう話になって、それなら、特訓してた方がいいんじゃない?て感じで、特訓をしてもらうことになりました。」



うん。ペラペラよくそんな噛まずに言えたよね。

てか、特訓に参加しろって?

私が異世界から来たから?

だったら、ウサギは?


「ウサギも、誘えばよかったんじゃない?」


私は、聞いた。


遅鳴は、ギィと、椅子に掛けた。


「それは、あの子が、黒制の人間だからかな?もうあの子は、愛鳴の、手の中にあるから。」




手の中に?

手下ってこと?


「まぁ、とにかく一回やってみようよ。」


私は、促されるままに部屋に立った。


「シュミレーションシステム レベル7 斧と木人間2体 森 スタート!」


遅鳴の声。


はぁ?

レベル7の、木人間?なにそれ!?


木人間ということは、木にふんした人間?


森だから、なにが木で何が木人間なのかわからない。


「あー、木人間の説明しとくよ。」


どこからか、遅鳴の声が聞こえる。


「木人間とは、木の怪物です。動き回ることができ、肉食系です。木人間に花が咲いたら注意。その花から毒粉が出ます。痺れ作用があるので気をつけて。木人間が来る時は、葉っぱがカサカサ音が鳴るから。耳をすまして置いたらいいかもね。」


切れた。

私は、言われた通りに、耳をすましてみた。

すると声が聞こえた。


「――なんで、7の、木人間なんだ!?あれは、危険すぎる!!最悪の場合、死ぬぞ!!」


私は、この壱鳴の声にハッとする。


――最悪の場合、死ぬ……。


そう思った。


てか、一度死ぬ思いしてるから、もうこりごりなんだけど。




カサカサカサカサ



遅鳴が言っていた、葉っぱのかすれる音がする。


私は、耳を済ましながら、持っている斧を強く握った。




カサカサカサカサカサカサカサ



猛スピードで近ずいてくる、なにかの音。



カサカサカサ……


止まった。



私は、音が鳴っていた方を横目で見た。



今まで無かった木が、三本ぐらいたっている。










キャーーギャーー



木が襲いかかってきた。



口が大きく開いて笑っている。

口からは、赤い樹液が出ている。


目の色は、闇を切り裂いたほどの黒。



口をめいいっぱい開けてやってくる。


私は、思った。

や、やばいこれ、死ぬ……




だけど、その思いとは、反対に、体は、動いていた。




自分でもなんで動いているのか、わからなかった。



斧を使って、木人間の、木の幹を真っ二つにした。



木人間は、ダァン!

と、倒れて消えた。



まだ、一体いるはず。


私は、再び耳を澄ます。
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