無題 〜奇跡の7つ子〜
「嫉妬かな?」

嫉妬……??

「さあ、殺ろうよ!」

目がまじモードになった。

うわぁ。スイッチ入ってるなぁ。


バゴォン

コンクリートの道路に、当たる触手。

ウサギは、触手を、使い私に当ててこようとしている。

呪文など使わずにも、私は、避ける。てか、使えない。

メギャァ

看板に当たる。

あー、洋服の看板が……

看板の破片が、マネキンに刺さる。

私は、本屋の中に逃げ込む。

ボガァァ

触手は、本の棚に、ぶち当たる。

私は、本屋から、出る。

ドゴォォ

触手は、壁に当たる。

出たところを狙われた私は、ギリッギリのところで避けたが、手に傷を少し負った。


シュィン

後ろで変な音がした。

私は、振り返った。

そして危険を察知した。

が、少し遅かった。

分裂した触手の破片が、足に突き刺さる。

「う…グゥッ……」

痛くて、声を漏らす。

続けざまに、分裂した触手の破片が、襲ってくる。

私は、避けようとするが、足を負傷して、動けなかった。

また、私の腕に、突き刺さった。

私は、触手を抜き、治す。








力も限界になってきた。

もう、今は、治せない。

最後の治癒をした時、そう思った。

続けざまに、触手が、襲う。

私は、避けた。


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

私は、顔を上げた。

四本の……それ以上かもしれない、触手をくねくね動かしながら、ウサギは、笑っている。


あれに当たったら、死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。


「これがトドメだよ。」

そうウサギは呟いた。

その瞬間、一番大きな触手が私に向かって直進してきた。

「……ぅ……」

私は、小さなうめき声をあげた。

だけど、一向に、私は、怪我をしない。

ゆっくり目を開ける。


ぽたぽたぽた

血が上から、垂れる。

私は、上を見上げる。


「え……??」

血を垂らしていたのは、


「…ち…………鳴…………?」


遅鳴だった。
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