お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
三班は十八人いて、男性十五名、女性三名という内訳である。
男と飲みにいくのは嘘じゃないけど、ただの同僚だし女性もいるから、色気のある話ではないのだ。
それを説明したら、彰人が私にも聞こえるような安堵の息をついたので、吹き出してしまう。
「私に男がいたら嫌なんだ」とからかい、「ここ数年、男っ気なしの生活だから安心していいよ」とやり返せば、途端に彼は耳まで顔を赤らめた。
「そ、そんな心配はしてない」と上擦る声で否定して、慌てたように洗面所に逃げ込み、ドアに鍵までかけている。
あ、デレた……。
私の胸がキュンと音を立てたら、ドアの向こうから「莉子」と名を呼ばれる。
「なに?」
「あまり遅くならないようにしろよ」
私を心配するその声には、真面目で誠実そうな響きが感じられた。
彼がたまに見せる優しさは、妙にくすぐったい。
「うん」と返事をした私は人差し指で頬を掻き、ドアに背を向ける。
「シークレットを飾らなくちゃ」と独り言を呟いてリビングに向かったのは、照れくささをごまかすためであった。
男と飲みにいくのは嘘じゃないけど、ただの同僚だし女性もいるから、色気のある話ではないのだ。
それを説明したら、彰人が私にも聞こえるような安堵の息をついたので、吹き出してしまう。
「私に男がいたら嫌なんだ」とからかい、「ここ数年、男っ気なしの生活だから安心していいよ」とやり返せば、途端に彼は耳まで顔を赤らめた。
「そ、そんな心配はしてない」と上擦る声で否定して、慌てたように洗面所に逃げ込み、ドアに鍵までかけている。
あ、デレた……。
私の胸がキュンと音を立てたら、ドアの向こうから「莉子」と名を呼ばれる。
「なに?」
「あまり遅くならないようにしろよ」
私を心配するその声には、真面目で誠実そうな響きが感じられた。
彼がたまに見せる優しさは、妙にくすぐったい。
「うん」と返事をした私は人差し指で頬を掻き、ドアに背を向ける。
「シークレットを飾らなくちゃ」と独り言を呟いてリビングに向かったのは、照れくささをごまかすためであった。