お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
そういえば先月の全体会議の日に、ルームメイトがいると彼に言ってしまった覚えがあった。
あの時は、『俺も女だったら、織部さんとルームシェアしたい』と言われ、同居人が女性であると勘違いされた。
今もそう思っている様子の彼が、「帰りが遅いと心配して連絡くれたの? 友達、いい子だね」と笑っていた。
「そ、そうなんです。ちょっと心配性で……」
「友達に伝えておいてよ。今夜は帰らないと思うって」
「え……?」
成田さんはニコリと口角をつり上げているが、目は笑っていなかった。
冗談とも本気とも取れる顔で、私を帰す気がないようなことを言ったため、私の笑みは固まる。
すると「冗談だよ。もっと一緒にいたいと思うだけで、手荒なことはしない」と彼は目を逸らして言った。
それからグラスに入っているワインを飲み干し、注ぎ足して、「空になった」と新たなボトルを注文していた。
彼の飲むペースにはハラハラさせられるけど、冗談だと言われたことについては、ホッと胸を撫で下ろす思いでいる。
成田さんが誠実な人だと彰人に啖呵を切ったのに、やっぱり狼で、それを見抜けなかった私は愚か者……という展開にはなりたくない。
あの時は、『俺も女だったら、織部さんとルームシェアしたい』と言われ、同居人が女性であると勘違いされた。
今もそう思っている様子の彼が、「帰りが遅いと心配して連絡くれたの? 友達、いい子だね」と笑っていた。
「そ、そうなんです。ちょっと心配性で……」
「友達に伝えておいてよ。今夜は帰らないと思うって」
「え……?」
成田さんはニコリと口角をつり上げているが、目は笑っていなかった。
冗談とも本気とも取れる顔で、私を帰す気がないようなことを言ったため、私の笑みは固まる。
すると「冗談だよ。もっと一緒にいたいと思うだけで、手荒なことはしない」と彼は目を逸らして言った。
それからグラスに入っているワインを飲み干し、注ぎ足して、「空になった」と新たなボトルを注文していた。
彼の飲むペースにはハラハラさせられるけど、冗談だと言われたことについては、ホッと胸を撫で下ろす思いでいる。
成田さんが誠実な人だと彰人に啖呵を切ったのに、やっぱり狼で、それを見抜けなかった私は愚か者……という展開にはなりたくない。