お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
驚き慌てる私の背後で、成田さんが立ち上がった気配がした。
「織部さんが嫌がってますよ」という声にはもう怯えはなく、どこか挑戦的な響きを感じる。
なおも彰人の胸に顔を押し当てられたままで、『放してよ』という気持ちをフゴフゴと訴えていたら、彼が鼻で笑って成田さんに言い返した。
「嫌がってんじゃない。こいつはいつも素直になれないだけだ」
「こいつ? 自分の彼女に対して、随分な呼び方をしますね。同居生活での扱いが、どういうものかもわかります。ひどい男だ」
成田さんの指摘に、なぜか私はムッとする。
彰人は俺様で横柄だけど、可愛い面や優しさもたまに見せてくれて、決してひどい男ではないと言いたくなる。
私の同居人を悪人扱いする成田さんに腹を立てていたが、彰人自身は怒ることなく、冷静に淡々と非難の言葉を返していた。
「お前ほど、ひどい男じゃないつもりだ。莉子から白ワインをボトルで二本飲んで酔い潰れたと電話で聞いたが、お前、酔ってないな?」
「織部さんが嫌がってますよ」という声にはもう怯えはなく、どこか挑戦的な響きを感じる。
なおも彰人の胸に顔を押し当てられたままで、『放してよ』という気持ちをフゴフゴと訴えていたら、彼が鼻で笑って成田さんに言い返した。
「嫌がってんじゃない。こいつはいつも素直になれないだけだ」
「こいつ? 自分の彼女に対して、随分な呼び方をしますね。同居生活での扱いが、どういうものかもわかります。ひどい男だ」
成田さんの指摘に、なぜか私はムッとする。
彰人は俺様で横柄だけど、可愛い面や優しさもたまに見せてくれて、決してひどい男ではないと言いたくなる。
私の同居人を悪人扱いする成田さんに腹を立てていたが、彰人自身は怒ることなく、冷静に淡々と非難の言葉を返していた。
「お前ほど、ひどい男じゃないつもりだ。莉子から白ワインをボトルで二本飲んで酔い潰れたと電話で聞いたが、お前、酔ってないな?」