お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
誤解だと必死に説明したら、開発部の人たちは信じてくれたようだけど、廊下を歩けばすぐに呼び止められて、彰人との交際についてを何度も問いかけられた。

他部署のまったく話したことのない人にまで声をかけられて、私の周囲はザワザワと落ち着かず、気疲れしてしまったのだ。


球状のライトが高さ違いに三つ吊り下げられた天井照明は、デザイナーズ家具だと彰人が話していたもので、なかなかお洒落である。

それを眺めている私は、「どうしよう……」と呟いてため息をついた。

困っているのは、噂の広まり自体だけではなく、そこから展開した厄介な問題も抱えているせいである。


ため息を繰り返し、ぼんやりと三十分が経過したら、玄関ドアが開けられた音がした。

いつもより一時間ほど早く、彰人が帰宅したようである。

すぐにリビングのドアが開けられて、ソファの背もたれ側から端正な顔が現れ、寝そべる私を覗き込んだ。


「ただいま」と真顔で言った彼には、噂になっていることを既にメールで伝えてある。

それに関して返信はなかったが、真面目な顔をキープできずにニヤリとしたところを見れば、この事態に参っている私を面白がっている様子であった。

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