お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
なにを呑気に、夕食の支度を始めようとしているのか。

彰人への文句は追加されて眉を寄せた私だが、エプロンを着た彼はお構いなしに冷蔵庫を開け、中を覗き込んでいる。


「腹が減ったからすぐにできる簡単メニューにするか。ホイコーローと卵スープ、それと……」

「ねぇってば!」


話を聞いてくれない彼に苛立った私は、ソファから立ち上がる。

すると豚バラ肉のパックを手にした彼が振り向き、フッと笑って驚くことを口にした。


「対決は今月末の日曜日。場所は馴染みの料亭の座敷を押さえてある。茶問屋で育ったお前なら茶道は問題ないとは思うが、花道、着付け、基本的な和食を作れるようにしておけよ。ジャッジはその道のプロと俺がやる。言っておくが特別扱いはしないぞ。真面目に戦え」


はい? 対決の日付と場所は決まっていて、ジャッジは俺がやるって……!?

驚いて冷蔵庫前まで駆け寄り、「やらないよ!」と抗議する。


対決を申し込まれはしたが、引き受けたつもりはないし、なぜ彼女たちと彰人を巡って争わねばならないのかといった心境だ。

『逃げたら、交際を認めませんから』と言われたけれど、元から恋人ではないのだから、やる意味がないのだ。

それなのに、彰人がノリノリで対決のお膳立てをしようとしているのが、理解できない。
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