お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
大和撫子対決を申し込まれた日から半月ほどが経ち、今日は九月末の日曜日。対決当日である。
車窓から入り込む十五時の日差しは柔らかく、やっと夏の暑さから解放されたという心持ちで気を抜きたくなる。
助手席で大あくびをした私に、ハンドルを握っている彰人が「おい」と文句をつけた。
「大和撫子が、口元を隠さずにあくびをするな」
「えー、まだ会場に着いてないからいいでしょ」と指摘を受け流せば、ため息をつかれ、「お前、ちゃんと練習したのか?」と訝しむように問いかけられる。
「やったよ。少しね……」
今日の対決は、着物の着付け、生け花、お点前、和食料理の四種目で行われるそうだ。
半月前は彰人との同居を続けたいから、頑張って勝とうと思い、真面目に練習する気でいた。
けれども、生け花は花材を買わないことには練習できない。
それで近所の生花店で季節の花や枝ものを見て回ったのだが……思ったより値段が高かった。
花材にかけるお金があるなら、たまチョコを買いたいと思った私は、生花店から出て大手スーパーマーケットへ向かったのであった。