お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
二十畳ほどもある広い和室には、対戦相手の東条さんと西尾さんが先に到着して、私を待っていた。

ふたりは襖から三メートルほど離れた座敷の中程に正座して、なにかをヒソヒソと相談していたようだけど、私に気づくと睨むような視線を向けてきた。

戸惑ったのはライバル心剥き出しの彼女たちではなく、その後ろに座っていた女性に関してである。


立ち上がって私に駆け寄ったその人は、ピンクの膝丈フレアスカートと、ヒラヒラした袖なしブラウスを着た小南ちゃん。

営業部で見目好い若い男性社員に声をかけまくり、成田さんのことも狙っていた、あの“粉かけ小南ちゃん”である。


「なんでいるの?」と率直な疑問をぶつけたら、なぜか私の手を両手で握って大きく上下に振り、はしゃいでいる雰囲気の彼女が笑顔で文句を言う。


「同じ営業事務だった仲なのに、こんな素敵な対決があるって、どうしてメールしてくれないんですか。勝ったら専務とお付き合いできるんですよね。参加申し込みに間に合ってよかった。私、頑張っちゃいます!」

「……は?」

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