お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
両親には、彰人と同居していることはもちろん、ファンベル製菓に勤めていることも話していない。

勤め先を秘密にしている理由は、お茶を手土産に会社に押しかけてきて、『由緒正しき織部家のひとり娘ですので、よい対応をお願いします』と上から目線で上司に挨拶しそうな気がしたからだ。


勝手に両親に接触されていたことに焦り、ファンベル製菓に勤めていることを話してしまったのかと確認したら、彰人は「もちろん」と楽しそうに答えた。


「お茶を持って、会社に挨拶に来たぞ」

「や、やっぱり……」

「俺がひとりで対応した。他の社員はお前の家のことを知らないから安心しろ。それを気にして勤め先を隠していたんだろ?  それなら問題ない」


そう言われて、私は首を傾げてしばし考える。

確かに彰人にだけなら、挨拶されても構わないかと思い直していた。

私が逃げた見合いの日に、うちの両親と彰人は顔を合わせていて、織部家に関することは既に知っているのだから。
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