お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
しかし、まだ安心はできない。

「同居については?」と小声で問えば、彼は口の端をつり上げ、意味ありげに笑う。

私の焦りを楽しんでいるようなその笑い方を見て、同居に関しても報告済みであると悟った。

驚き呆れて言葉の出ない私に、彰人はフンと鼻を鳴らした。


「織部家の大事な娘を預かっているのに、挨拶しないわけにはいかないだろう。お互いを知るために同居を始めたから、温かく見守ってほしいと話しておいた」


彼の言うように、この同居は、お互いの性格までを知ろうという目的で始まった。

しかし、それは交際や結婚には繋がらず、二カ月後に終了することが前提である。

『お前を俺に惚れさせて、冷たく振ってやる」と言われたことは、まだ記憶に新しい。


二十日後には同居人という今の関係が終わるというのに、なぜ話してしまうのかと、非難の気持ちが湧いていた。

肩越しに振り向いて両親の方を見ると、障子の横から熱い視線を送ってくる。

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