お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
ああ、これはもう、完全に期待が膨らんでしまっているよ。

娘がついに御曹司と結婚し、婿殿の金銭的な援助をもって茶問屋の経営を立て直せるという、夢物語が……。


ひと言の相談もなく、勝手なことばかりする彰人に呆れていた。

やる気はさらに減退し、その状態で大和撫子対決の火蓋が切られる。


一回戦目は、着物の着付け。

私と対戦相手の三人は、襖で仕切られた隣室へ移動した。

そこは八畳ほどの和室で、私たちの他には誰もいない。

対決前の準備として、洋服を脱いだ私たちは、和装の下着である肌襦袢を身につけ、その上に着物と同じ形をした白い長襦袢を着る。

うら若き私たちが、下着からの着付けを披露するわけにはいかないためである。


いち早く長襦袢までの着替えを終えた私が、うまく着られずに困っている小南ちゃんを手伝っていたら、西尾さんが「手慣れていますね。かなり練習されたんですか?」と話しかけてきた。

その声には緊張と焦りが感じられた。


「練習は一度だけ」と私が正直に答えれば、西尾さんは安心するどころか警戒心を強めた顔をして、「普段から着物を着る習慣があるということですか……」と悔しそうに呟いている。


< 183 / 255 >

この作品をシェア

pagetop