お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
最近は見合いの話もないし、着物を着る習慣はないと答えようとしたのに、東条さんが私たちの会話に割り込んできて、「信じたら駄目」と西尾さんに注意した。


「きっと私たちを焦らせて、失敗させる作戦なのよ。織部さんの言葉に振り回されないよう、気をつけて」


まるで私が卑怯な企み事をしているように言われたが、正々堂々と戦うつもりでいる。

というより、彰人が勝手なことばかりするから、少々気分を害していて、頑張らずに適当に終わらせようとしていた。


東条さんの非難の言葉に、『振り回されてるのは、こっちだよ』と心の中で反論する。

ムッとしている私に小南ちゃんが、「着物って難しいですね。織部さんがやると綺麗だから、全部やってもらいたいな」と甘えてくる。

つい面倒を見てしまうのは、彼女の新人時代の指導役であった癖なのか。

長襦袢を着せ、着崩れ防止の細帯である伊達締めを胴に巻きつけ、ぎゅっと締めてあげたら、彼女が「グエッ」と苦しげに呻いていた。
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