お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
私たちが着替えを終えて再び隣の広い座敷に戻れば、応援席からワクワクとした興味本位の眼差しを向けられ、面白い戦いを期待する拍手が湧いた。


上座には、審査員席が設けられている。

横長のテーブルに一列に並んで座っているのは、四人の見知らぬ中高年の男女と、彰人である。

『ジャッジはその道のプロと俺がやる』と言っていたので、四人はきっと、彼が連れてきた専門家なのだろう。

彰人は真ん中に座っていて、彼の右隣の背筋のピンと伸びた小柄な初老の女性が、着付けのプロだと思われた。

着物姿の美しい婦人は、ルール説明を始める。


「お着物はそちらに並べてありますものの中から、お選びいただきましてーー」


出入口の襖側に置かれた長テーブルには、着物が三十着ほども積まれている。

振袖、訪問着、色留袖まであり、帯も種類や色柄様々に、数十本並べられていた。

なにを選ぶのかも審査のうちに含まれる、という話であった。


「それでは始めてください」と言ったのは彰人で、その真面目くさった顔に、私は心の中で指摘を入れる。
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