お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
無意味な対決なんだから、変な緊張感を作ろうとしないでよ。

本当は面白がってニヤニヤしたいのを、我慢しているくせに……。


この戦い対して真摯な姿勢を装っている彼に呆れていたら、出遅れてしまう。

他の対戦者は長テーブルの前に移動して、着物選びを始めていた。


東条さんは辻が花という、古典的で上品な柄の赤い中振袖を選び、西尾さんは薄い水色に牡丹の柄の訪問着を選んだ。

東条さんの着物選びは、間違いないように思える。

年配の女性審査員を意識しての、選び方をしているような気がした。


訪問着を選んだ西尾さんも、間違いではないだろう。

未婚女性だから必ず振袖を着なければならないものではないし、訪問着は相手に失礼のないフォーマルな着物である。

二十九歳の西尾さんは対戦者の中で最年長で、大人っぽい顔立ちでもあるから、振袖よりも似合う気がする。

色や柄も、知的な彼女の雰囲気に似合っていた。


そして小南ちゃんは……。

観客席から失笑されても気にする様子のない彼女は、黒地にピンクと白いバラの花が描かれた大振袖を選び、「可愛い!」とはしゃいでいる。

洋風な絵柄の振袖はラメ入りの生地で、襟や袖口にはレースまであしらわれ、ギャルが成人式に選びそうな奇抜な着物であった。

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