お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
左隣の東条さんを見れば、文庫結びの上に、花びらのようなヒダを寄せた変わり結びをしていた。

振袖ならば華やかな結び方の方がいいのかもしれないが、変わり結びができるということをアピールしたいという思惑を感じる。

ただし悪戦苦闘している様子が、着物に慣れていないということも暴露してしまっていた。


右隣の西尾さんは、私と同じ帯の結び方をして、二番目に早く着付けを終えていた。

そつなく綺麗に着たように見える。


そして私の後ろでドタバタしているのは、やはり小南ちゃん。

「織部さーん」と甘えた声で助けを求められ、「もう」と不満を口にしながらも手伝ってしまう私は、お人好しなのか。

対決であるのに、彼女を生徒に、着付け教室を開催してしまった。


「小南ちゃん、いい? 着物はね、裾線、襟元、おはしょり、おくみ線に気をつければいいんだよ。まずは襟先持って、裾線を合わせてごらん」


手取り足取り教えてあげて、なんとか振袖を着せることはできたが、問題は帯である。

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