お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
どうせなら大笑いすればいいのにと、私は迷惑顔を彼に向けて、口に出さずに文句を言う。

そしてこの対決を、アホな余興にすればいいじゃないか。

そうすれば勝敗がどうであれ、あと二十日ほどは一緒に暮らせるのだから……。


小南ちゃんの帯を手早く締めてあげて、一回戦は終了する。

専門家の女性が私たちに歩み寄り、立ち姿の前後、脇まで隈なく確認し、審査員席に戻っていった。

そして彰人に顔を近づけて、なにやらヒソヒソと相談している。

彼の意見も聞いた後で、その女性は、机上に置かれていたプラスチックの白い札を上げた。

それには【六】と数字が書かれている。


「東条さんは、六点ですわね。着付けに時間がかかったことと、その変わり結びが、四点減らした理由でございます」


未婚といえども二十七歳の彼女なので、子供っぽい結び方をするのはよろしくない、という講評であった。


私たちは一列の横並びで正座して、結果を聞いている。

私の左隣に座る東条さんは、自分がアピールしようとしていたところを減点されたためか、悔しそうに唇を噛んでいた。
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