お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
チェーンソーが道具として用意されていたのだから、使っていけないということはない。


太い丸太を見事に真っ二つに切り終えた私が、切り株のようになったものを花台に乗せたら、観客席から拍手が湧いた。

東条さんの取り巻きの男性社員にまで「織部さん、かっこいい!」と声をかけられたが、これくらいで感心してもらっては困る。


大振りの紅葉の枝やススキ、ナナカマドに大菊などを持ってきて、中が空洞になっている切り株に次々と挿していく。

剣山などでは間に合わない。

針金を使って枝を留め、テープや接着剤で倒れないように固定した。

花を生けるというより、大工か庭師のように力仕事であった。


自分の背丈以上の、天井まで届きそうな大作を完成させたら、ちょうど制限時間になる。

座敷の真ん中には、私の巨大な作品がどんと構えていて、審査員席から飛び出してきた偽屋崎先生は、ぐるりと周囲を回って作品を鑑賞しながら興奮していた。

彰人に相談することもなく、すぐに十点満点の札を上げ、私の正面に立つと、まくしたてるように評価した。


「十点では足りないほどの出来栄えです。なんて素晴らしい作品でしょう。魂が揺さぶられるほどに感動しました!」


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