お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
枝の伸ばし方や曲げ方、空間の取り方が絶妙なのだそうで、大菊の配置は計算され尽くし、どこから見ても美しいと絶賛された。

講評を止められない様子の偽屋崎先生は、再び作品の周囲を動き回りながら、「大胆で迷いがなく、集中して生ける織部さんの姿には、日本女性の芯の強さを感じました」とまで言って、私を褒めた。


それを聞いた観客たちは盛り上がり、私に拍手喝采を浴びせる。

うちの両親は抱き合って涙を流し、まるで玉の輿婚が決まったかのような喜びようだ。


ひとり戸惑う私は、作品の横に立って笑顔を引きつらせる。

どうしよう。偉業を成し遂げたような空気になってしまったけど、ただ、鬱憤を晴らそうとしただけなのに……。


興奮冷めやらぬ中、東条さんと西尾さんの作品も審査される。

ふたりとも、床の間に飾っておきたくなるような、雅で品のある素敵な作品を完成させていた。

しかし、私の大胆な生け花を見た後では物足りなく感じたのか、偽屋崎先生はこう評価した。


「おふたりはきっと、お利口さんの優等生なのね。とても綺麗ですけど、つまらないと思います」

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