お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
反論は心の中だけで。

口に出してしまえば茜がまた笑顔を消してしまうかもしれないし、なにより告白する勇気を失ってしまいそう。

それで私はニッと挑戦的な笑みを浮かべて、頷くだけにしておいた。


午後の業務は特筆すべきこともなく平和に定時で終わり、私は十八時半頃に家に帰ってきた。

彰人は今日、夕食付きの重役会議があると言っていたので、帰宅は少々遅いはずである。

落ち着かない気持ちを抱える私は、夕食も食べずに、かれこれ三時間ほどリビングをウロウロしていた。


テレビをつけても意識を番組に向けられないので、消してしまった。

たまチョコの新しい箱を開ける気にもなれない。

カウチソファに座ったり、立ったり、歩き回ったりを繰り返し、壁掛け時計の針ばかりを気にしていた。


二十一時半になるから、もうそろそろ帰ってきてもいい頃だ。

固めた決意がくじけてしまいそうだから、早く帰ってきてほしいような……。

逆にもっと遅い帰りとなり、今夜は時間がないから告白できなくても仕方ない、という逃げる口実が欲しいような……。

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