お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
すると「顔を上げろ」と鋭い声で命じられる。
「はい……」
緊張の中で私は恐る恐る姿勢を戻して、周囲を確認した。
執務室の広さは十五畳ほどで、右手に窓がある。
部屋の中央には木目の天板のミーティングテーブルが置かれ、少人数の打ち合わせが、ここでできそうだ。
壁の書棚には仕事関係のファイルが整然と並べられて、最奥に大きな執務机。
その上にデスクトップのパソコンが二台と、ノートパソコンがのせられ、書類が積まれている。
専務は声の通り、おじさんではなく青年で、肘掛付きで背もたれの長い立派な執務椅子に、ゆったりと背を預けて座っていた。
年の頃は三十前後だろうか。
ライトグレーの高級スーツに爽やかな水色のネクタイをしめ、ダークブラウンの髪は前髪を斜めに流し、ナチュルさを残したビジネルヘアに整えられている。
切れ長二重の瞳に、男の色気を湛えた少々肉厚の唇を持ち、美麗な顔立ちをして……。
七、八メートルほど先にいる専務の顔を目にした私は、見覚えがあることに気づいて、ハッと息をのむ。
誰だったかと考え込むことはなく、すぐに思い当たり、「あっ!」と驚きの声をあげた。
昨日の人だ……。
「はい……」
緊張の中で私は恐る恐る姿勢を戻して、周囲を確認した。
執務室の広さは十五畳ほどで、右手に窓がある。
部屋の中央には木目の天板のミーティングテーブルが置かれ、少人数の打ち合わせが、ここでできそうだ。
壁の書棚には仕事関係のファイルが整然と並べられて、最奥に大きな執務机。
その上にデスクトップのパソコンが二台と、ノートパソコンがのせられ、書類が積まれている。
専務は声の通り、おじさんではなく青年で、肘掛付きで背もたれの長い立派な執務椅子に、ゆったりと背を預けて座っていた。
年の頃は三十前後だろうか。
ライトグレーの高級スーツに爽やかな水色のネクタイをしめ、ダークブラウンの髪は前髪を斜めに流し、ナチュルさを残したビジネルヘアに整えられている。
切れ長二重の瞳に、男の色気を湛えた少々肉厚の唇を持ち、美麗な顔立ちをして……。
七、八メートルほど先にいる専務の顔を目にした私は、見覚えがあることに気づいて、ハッと息をのむ。
誰だったかと考え込むことはなく、すぐに思い当たり、「あっ!」と驚きの声をあげた。
昨日の人だ……。