お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
私が見合い会場であるホテルから逃げる際に、その逞しそうな体を隠れ蓑として使わせてもらい、お礼に焼き芋キャンディをあげた青年だった。
これは、まずい。
呼び出しの理由は、そういうことだったのか……。
焦りながら後悔したのは、飴玉についてだ。
お礼がたったのそれだけということではなく、これから発売する新商品であるからだ。
まだ未発売のものを勝手に部外者に譲渡することは禁じられている。
規則を破ったことを叱責するつもりでは……と冷や汗をかいた私だが、その直後に、専務はうちの会社の関係者だから、結局は問題ないのではないかという逃げ道も見つける。
頭の中は大忙しだけど、私は『あ』の形で口を開けたまま固まっていた。
すると不機嫌そうな顔の専務が、「遠すぎる。こっちに来い」と鋭い声で命じる。
むしろ遠ざかりたい心境でいても、無視するわけにいかないので、ミーティングテーブルを回って、執務机の前まで行く。
机を挟んで専務と向かい合い、叱られる前に先手を打って謝ることにした。
「昨日は大変失礼いたしました。高旗専務があのホテルにいらっしゃったとは……。未発売の商品を渡すという行為につきましては、深く反省しております。申し訳ございません」
これは、まずい。
呼び出しの理由は、そういうことだったのか……。
焦りながら後悔したのは、飴玉についてだ。
お礼がたったのそれだけということではなく、これから発売する新商品であるからだ。
まだ未発売のものを勝手に部外者に譲渡することは禁じられている。
規則を破ったことを叱責するつもりでは……と冷や汗をかいた私だが、その直後に、専務はうちの会社の関係者だから、結局は問題ないのではないかという逃げ道も見つける。
頭の中は大忙しだけど、私は『あ』の形で口を開けたまま固まっていた。
すると不機嫌そうな顔の専務が、「遠すぎる。こっちに来い」と鋭い声で命じる。
むしろ遠ざかりたい心境でいても、無視するわけにいかないので、ミーティングテーブルを回って、執務机の前まで行く。
机を挟んで専務と向かい合い、叱られる前に先手を打って謝ることにした。
「昨日は大変失礼いたしました。高旗専務があのホテルにいらっしゃったとは……。未発売の商品を渡すという行為につきましては、深く反省しております。申し訳ございません」