お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
「お前が」「彰人が」と、いつもの如く言い争った後は、同じタイミングでプッと吹き出す。

リビングに満ちるのは、喜びと幸せと安堵に溢れた、明るい笑い声であった。


ひとしきり笑った後は、彼がニヤリとして立ち上がる。

なにかを企んでいそうな彼を見上げたら、腕を引っ張られて私も立たされた。

「キャッ!」と叫んだのは、突然、横抱きに抱え上げられたからだ。

「な、なに!?」と驚き戸惑う私に、彼はドアに向けて歩き出しながら、「お前を抱こうと思って」とサラリと答えた。


「はあ!? ちょっと待ってよ。想いが通じ合ったばかりなのに、早すぎるでしょ!」


もったいぶっているわけではなく、私と同じように考える女性が一般的ではないかと思う。

彰人の腕の中で慌てる私に、「こら、暴れるな」と横柄に叱る彼は、リビングから廊下へと足を踏み出している。

そして早すぎるという私の指摘に対し、フンと鼻を鳴らして、「むしろ遅いくらいだ」と言い放った。


「俺がどれほど我慢してたのか、知らないのか」

「我慢って……?」

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