お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
その仕草を可愛いと感じて胸がキュンと音を立てたら、私の手が勝手に動いて彼の手を握り、「もっと褒めてください!」と口走っていた。


「は?」と途端に眉間に皺を寄せた彼は、「調子に乗るな。褒めてほしいなら、成果を見せろ」と私の手を振り払う。


「じゃあ、作り笑顔をどうぞ。どうです? 私の笑顔が好みなのでしょう? どうぞ、褒めてから思いっきり照れてください。専務のツンデレにはまりそうです!」


ツンデレという言葉に目を見開いた彼は、「おかしなことを言うな。俺はそんな男じゃない」と否定して瞬時に頬の赤みを消し、せっかくのデレモードを終わらせてしまった。

それを残念に思う私の隣で、ティッシュの箱ほどの大きさのプラスチック製密閉保存容器を出してきて、卵焼きを詰め始める。


私の失敗作も全てを入れて、その横にキュウリの浅漬けとご飯を少し。

ご飯の上にはごま塩を振り、梅干しをひとつのせていた。


「専務のお弁当ですか?」

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