お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
思わず眉を寄せたのは、自家用車での通勤をずるいと思ったからではない。
それなら、遅刻すると慌てている私に、『乗せてやる』と言ってくれてもいいでしょうと思っていたためだ。
それで「乗せてください!」と自ら願い出たというのに、「甘えるな」と厳しい返事をされた。
清潔感あるビジネスヘアに整えられた、形のよい後頭部。
そこに向け、「どうしてですか! 目的地は一緒なのに、それくらいいいじゃないですか!」と食い下がれば、やっとタブレットから視線を外した彼が、背もたれにワイシャツの片腕をのせて振り向いた。
その口元は私の焦りを楽しむかのようにニヤリと笑っていて、「絶対に乗せない」となおも突き放す。
「俺は恋人ではない女を、車に乗せない主義なんだ」
そんなポリシー、今すぐ捨てろと言いたい私だが、「それを抜きにしても」と補足する彼の言葉を聞いている。
「お前を乗せて出社するのはまずい。誰かに見られる可能性があるだろ。同居を社の奴らに知られるなよ。お前とは二カ月の関係で終わるのに、変な噂が立てば面倒だからな」
それなら、遅刻すると慌てている私に、『乗せてやる』と言ってくれてもいいでしょうと思っていたためだ。
それで「乗せてください!」と自ら願い出たというのに、「甘えるな」と厳しい返事をされた。
清潔感あるビジネスヘアに整えられた、形のよい後頭部。
そこに向け、「どうしてですか! 目的地は一緒なのに、それくらいいいじゃないですか!」と食い下がれば、やっとタブレットから視線を外した彼が、背もたれにワイシャツの片腕をのせて振り向いた。
その口元は私の焦りを楽しむかのようにニヤリと笑っていて、「絶対に乗せない」となおも突き放す。
「俺は恋人ではない女を、車に乗せない主義なんだ」
そんなポリシー、今すぐ捨てろと言いたい私だが、「それを抜きにしても」と補足する彼の言葉を聞いている。
「お前を乗せて出社するのはまずい。誰かに見られる可能性があるだろ。同居を社の奴らに知られるなよ。お前とは二カ月の関係で終わるのに、変な噂が立てば面倒だからな」