お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
「今日の日替わり定食なんだろう?」と話しかければ、「今日は卵焼き弁当じゃないんだ」と茜にからかわれた。


「あの件ではお世話になりました。茜がいなかったら、食べきれなかったよ。しかも失敗作を食べさせてごめんね」


朝からだし巻き卵を作る練習をしたのは、八日前のことになる。

入社以来、初めての遅刻と、食べるのが大変だったあのヘビーなお弁当を思い出して私がため息をつけば、茜はおかしそうに笑った。

「料理上手な彼氏なんて素敵じゃない。毎朝、作ってもらってるんでしょ?」と持ち前のポジティブさで彰人を褒める。


「彼氏じゃなく、同居人ね」と訂正してから、毎朝、彼の手料理を食べていることについては頷く。


「そうなんだけど、あんなに偉そうにされると感謝の気持ちが半減するというか、喧嘩の絶えない毎日でね。今朝も目玉焼きにかけるもので……あ、この話はもうやめよ」


階段で一階まで下りたら、社員食堂に向かう人たちで廊下が混雑していた。

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