お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
後ろには「所用を思い出したので、私はここで」と他部署の部長に話しかける彰人の声が聞こえていた。
早足で廊下を進めば、ふたりの会話はすぐに届かなくなり、幾らか緊張を緩めた途端に、怒っているような低い声が真後ろにした。
「今から専務室に来い」
ビクリと肩を震わせた私を追い越し、彰人は前方へと去っていく。
帰宅したら叱られることは覚悟していたが、今すぐの呼び出しは予想外である。
これは明らかに私の落ち度だし、大人しく従っておこうかな……。
エレベーターで十七階まで上り、重役のフロアに足を踏み出す。
廊下は無人で静かだが、前回と違って『専務から呼び出されて来ました』とは言えないため、誰にも見つからないことを願ってコソコソしながら進む。
専務室にたどり着き、ドアをノックすると、電子錠が解錠された音がする。
ドアノブに手をかけたところで、他の部屋のドアが開けられた音が小さく聞こえた。
振り向けばそれはどうやら秘書課のドアのようで、見つかったら困ると焦る私は、急いで専務室のドアを開けて中に体を滑り込ませた。
早足で廊下を進めば、ふたりの会話はすぐに届かなくなり、幾らか緊張を緩めた途端に、怒っているような低い声が真後ろにした。
「今から専務室に来い」
ビクリと肩を震わせた私を追い越し、彰人は前方へと去っていく。
帰宅したら叱られることは覚悟していたが、今すぐの呼び出しは予想外である。
これは明らかに私の落ち度だし、大人しく従っておこうかな……。
エレベーターで十七階まで上り、重役のフロアに足を踏み出す。
廊下は無人で静かだが、前回と違って『専務から呼び出されて来ました』とは言えないため、誰にも見つからないことを願ってコソコソしながら進む。
専務室にたどり着き、ドアをノックすると、電子錠が解錠された音がする。
ドアノブに手をかけたところで、他の部屋のドアが開けられた音が小さく聞こえた。
振り向けばそれはどうやら秘書課のドアのようで、見つかったら困ると焦る私は、急いで専務室のドアを開けて中に体を滑り込ませた。