お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
いつもは切れ長の涼しげな瞳が、今は色を灯していた。
大人の色気を醸す唇は薄く開いており、彼の吐息が私の唇にかかる。
ど、どうしよう……。
鼓動が際限なく速度を上げて、うるさく鳴り立てる。
このままではキスされてしまうのに、なぜか拒否の言葉が出てこない。
もしかして私は、キスされてもいいと思っているのだろうか?
なんで、どうして、御曹司は苦手なはずなのに……。
ほんのわずかな時間で自分の気持ちと向き合い、キスしてみたいという衝動が少しだけあることを認めた。
しかし、そこに恋愛感情はないと決めつける。
全ては彼が、急に男の顔をするから悪いのだ。
容姿端麗の彼に迫られたら、年頃の女性なら誰だって、流されてみたくなるはず……。
そう結論付け、この攻撃力のある色気に負けてはいけないと、自分を戒める。
指一本分まで彼の唇が近づいたところでやっと、「やめーー」と拒否を口にしたら、同時にドアがノックされる音が響いて、私は肩をびくつかせた。
続いて「西尾です」と彼の秘書の声をドア越しに聞き、ふたりで固まった。
大人の色気を醸す唇は薄く開いており、彼の吐息が私の唇にかかる。
ど、どうしよう……。
鼓動が際限なく速度を上げて、うるさく鳴り立てる。
このままではキスされてしまうのに、なぜか拒否の言葉が出てこない。
もしかして私は、キスされてもいいと思っているのだろうか?
なんで、どうして、御曹司は苦手なはずなのに……。
ほんのわずかな時間で自分の気持ちと向き合い、キスしてみたいという衝動が少しだけあることを認めた。
しかし、そこに恋愛感情はないと決めつける。
全ては彼が、急に男の顔をするから悪いのだ。
容姿端麗の彼に迫られたら、年頃の女性なら誰だって、流されてみたくなるはず……。
そう結論付け、この攻撃力のある色気に負けてはいけないと、自分を戒める。
指一本分まで彼の唇が近づいたところでやっと、「やめーー」と拒否を口にしたら、同時にドアがノックされる音が響いて、私は肩をびくつかせた。
続いて「西尾です」と彼の秘書の声をドア越しに聞き、ふたりで固まった。