無敵の剣
刀を左手に持つ

近づく者は、皆…   斬る





















ヌルリ    ヌルリ









足元も、手元も、血で滑る





復帰間もない藤堂さんは、肩で息をし出す





いつまで持ちこたえるだろうか






不安を感じながらも

敵を斬っていく










こちらの勝利が確定し、その知らせを
聞いた敵が逃げる




「もう…追えないや…」


藤堂さんがふにゃふにゃと喋る




「私も… もう、無理です…」



「斎藤?」





私は、ゴポッと吐き出した

口内が酸っぱい





「わぁーー!!大丈夫かよ!!
あっち!あそこに座ろう!!」






ついさっきまでふにゃふにゃだったのに
藤堂さんが私を介抱しようとする




「ふふふっ 大丈夫!大丈夫!」


「応援来るまで、休んでろって!
俺が門を守るから」


私は、刀についた血を紙で拭き

再び廻りを見た






ずいぶん斬ったものだ…






雪…   これも違う気がする





私が思う家茂様を守る事は
こういうことじゃなかった







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