無敵の剣
雪の部屋に布団を敷いた


「ありがとな」


「おやすみなさい」



土方さんが、折角外泊許可を貰っているからと、1泊することになった



1日に2度、毒薬を飲み
盲目となった




部屋にひとり




考える事は





壱の事だった










翌朝、朝餉を作り

庭で素振りをする土方さんを呼ぶ



「なんか、夫婦みてぇだな!?」



どうして、楽しそうなの?

私を心配しているから?



「食べたら帰って下さいね」


「お前なぁ 人を邪魔者扱いすんな!」


「邪魔です」


「クククッ じゃあ、ゆっくりすっかな!」



意地悪いなぁ…



食べ終わり、片づけを終え
廊下に座ったままの土方さんに声を掛けた



「草履持って、そこの部屋に潜んで下さい」


「…わかった」




空気が変わるのを感じた



「おはよう 壱さん、具合は、どうだい?」


「おかげさまで、すっかり良いです」



松本先生だった




これで、土方さんも私が壱だと思うかな






「おや? 土方君は? 帰ったのかい?」





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