無敵の剣
「おいでよ」



沖田さんは、ニコリと笑い両手を広げた



私達が、酷く複雑な顔をしているからだ

子供のような沖田さんだが、やはり年上
そして、空気を読ませたら流石


私が一歩前に踏み出した時には
平助が沖田さんに体当たりをしていた



平助は、まだ何か記憶に苦しめられて

我慢しているんだろう



沖田さんが平助の背に右手を回して
もう一度、私にニコリ


左手を広げた




私も、沖田さんのそばに行く

こんな時でも、素直になれない



そんな私を強引に懐に引き寄せ
抱きしめる


沖田さんは、元々華奢で細身の割に
筋肉がついていた


病で痩せた今も、筋肉があり


刀を振るには十分




私なんて、少し寝込んだら落ちるのに





「2人とも… 帰ってきてよ…」

















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