無敵の剣
「おめえら!切腹してえのか!?」



という大声に目を開ける


おおよそ鬼らしくない声



入口へ視線をやる



「って、言われますよぉー」



土方さんの小姓 市村鉄之助が笑う




「クスクスッ 言いそう」


「だな」









私の荷物を市村君が持ってくれた



「寄り道していいか?」


「遅くならないなら」





私は、平助の墓に寄った







〝平助
私は、新選組で頑張るよ
平助が守ってくれた命だ
大事にする
もっと… 一緒にいたかった〟






懐から、平助の髪紐を出す






〝コレ、土方さんが作ってくれたんだ
多分…梅かな? 花結び、器用だよな
私と平助、契ったことになってて
子供を流したと思ってんだ
出会った頃も早とちりして…
ちょっと、おっちょこちょいなとこがあったけど、怒りやすいとこも
何でも自分のせいだと思うとこも
全部、好きなんだ
私を土方さんのそばに…
新選組に戻してくれて、ありがとう〟




紐を懐に戻し、立ち上がる















「またな、平助」



















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